オープニングではさらっと時代背景などが語られたりする。
うーんよくわからない。
ムハンマドがアラビア半島に最初のイスラム国家を建設した、という事実を果たしてどれだけの人が覚えてるんでしょうか。
学校で習わない人だっているわな。
こういう歴史とか知らなくてもこのゲームは楽しめる。
実際「XZR II」をやったときも、「XZR」のこともイスラムのことも詳しく知らないまま楽しくプレイした。
オープニングで主役たちが紹介される。
ヒーローがいるなら、ヒロインがいる。
そんなわけで紅一点キャラということなんだろうが、こいつがとんでもねえセリフばっか口走るのだ。
あと場面場面でグラフィックが見事に違うので、もう全然別人じゃん、という・・・
なんかすごい強そうな戦士。
でも戦うことは一切ありません。むしろ足手まといになる場面多し。
セリフは「うう」としか言わない。もう「巨体バカ」という漫画のようなキャラになってしまっている。
ファキールと読む。読めるかよ。
まったくもって身勝手なおやじで、自分の好きなように行動する。
主人公のためにがんばって働く、というようなキャラでないため「何でお前がこのゲームに登場してる?」と思うことしばしば。
スフラワルディと読む。読めねえって。
終盤にいきなり出てきてびっくり。そしてその場面が終わったらもう出てこない。またまたびっくり。
あんた本当に主要キャラなの?つうかこの頭脳明晰とかいう設定は何?
とまあ、このとんでもねえ4人が主人公の仲間として登場するわけだが、本当にこいつらは暗殺のために送り込まれた精鋭なのか!?と思ってしまうくらい、アクの強い(そしてまるで役に立たない)キャラどもなのだ。
で、この4人が暗殺に行ったはいいが、消息を絶ってしまったので最後に送り込まれたのが主人公。
主人公サドラー。
4人を探し、合流しながら目的である暗殺を果たす・・・というミッションのゲームなのである。
ちなみにこの5人は「XZR II」でも出てくるのです。
さて、それでは簡単に時代背景とか歴史とかなめてみますか。
まずムハンマド(マホメットともいう。正式にはムハンマド)という人がいた。
この人が40歳のころ、アラーの啓示を受けてイスラム教を起す。
そして、622年にメディナにイスラム教国家を作り、やがてアラビア半島を統一していくが、632年に病死。
ムハンマドは歴史上重要な人物だが、活躍した時期は短かったのですな。
ムハンマドの親友が後継者として選ばれ、国を継承する。この後継者のことをカリフというわけです。
初代カリフから第4代カリフ没までの30年間で、イスラムはササン朝ペルシアを滅ぼしたり、ビザンツ帝国と戦ったり、とにかく強国になっていった。
第4代カリフである、アリーは661年に暗殺された。
このへん、このページの一番上の画像にも書いてありますね。
ただ、この第4代カリフを正式なカリフと認めるかどうかで、国はもめていた。
アリーを認める派が「シーア派」、アリーを認めない派が「スンニー派」という。
アリーが暗殺されたことで国はさらにもめ、色々あった挙句に落着いたところでできた国が、アッバース朝。これが750年から形としては500年くらい続く国である。バグダードの都も造った。
その後、946年にシーア派のブワイフ朝がアッバース朝を攻めて、アッバース朝は事実上崩壊する。
そして1055年、今度はスンニー派のセルジューク朝がブワイフ朝を攻めて、シーア派を追い出した。アッバース朝は一応続いてる形となっていて、カリフを保護するものとしてセルジューク朝に「スルタン」という称号を与えた。
こんな感じ。
で、シーア派なんですが、もともとアリー支持だったわけで、アリーの直系子孫を信奉して活動を行っていた。ところが765年に、後継者について内輪もめして、「十二イマーム派」と「イスマーイール派」にわかれる。
イスマーイール派はさらに分裂するのだが、そのひとつが「ニザール派」である。
このニザール派は、11世紀末にエルブルス山中にアラムート砦を築いて、「とにかく暗殺する」という方針のもとセルジューク朝の要人を暗殺しまくった。
それで世界中から「アサシン」として恐れられた。
ここです。
この暗殺者集団が、セルジューク朝を狙っていたことが今回の「XZR」の背景となっている。
ニザール派のリーダーが主人公サドラーの父。サドラーが狙うのは、セルジューク朝のリーダーというわけです。
ちなみに、史実ではニザール派暗殺者集団も、セルジューク朝も、13世紀中ごろ、モンゴル軍に滅ぼされます。
はかない。
さ、そんな感じでイスラム歴史を少しさわったところで、「XZR」の攻略へうつっていくことにしましょう。