「リセット」を観た。
これまたちょっとどうかという邦題だ。原題は「Vanishing on 7th Street」である。
ヘイデン・クリステンセン、ジョン・レグイザモ、タンディ・ニュートン。わりと好みのキャスティングだ。2010年の映画だが、ジョン・レグイザモもタンディ・ニュートンも頑張っていただきたいものだ。
物語はシネコンで映写技師をしてるジョン・レグイザモから始まる。ふと気づくと人々が消える。衣服を残して。建物は闇に包まれて、その闇から何かが…みたいな感じ。
あと、タンディ・ニュートンは子供を探して彷徨っていたり、ヘイデン・クリステンセンもまた彷徨っていたり。
だんだん判明してくるんだが、闇に囲まれてしまうと消えてしまうので、明かりを絶やすことができない。自家発電で明かりを確保できる酒場に緊急避難して皆が出会うものの、この街を出るにはどうすればいいのか、はたまた自分たちだけが生き残っている理由が一体何なのか…と、謎だらけ。
雰囲気たっぷりの映画で、闇の描写とか恐怖感をあおる演出がなかなか。役者陣も(特にジョン・レグイザモが)皆、エキセントリックで達者だ。
そもそも暗闇に取り込まれると煙のようにスッと消えてしまうのだ。世界の日照時間が段々と減っているのだ。そういうルールが現実離れしているので、そこを理詰めに考えてはいけない。「ザ・ロード」みたいに、その世界観が圧倒的に出来上がっているので、もう生存のギリギリのところでハラハラさせてくれれば良いのだ。
というわけで、これは思いもよらず力作だった。最後のほうの儚さも良かった。
結構おすすめ。観たほうがいいかも。
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アンソニー・ジャスウィンスキー
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