「ミスター・ノーバディ」を観た。
ジャレッド・レト、サラ・ポーリー、ダイアン・クルーガー。個人的に非常に食いつきのいいキャスト陣だ。面白いかもなーと期待がかかる。
詩的なSF作品とでもいえばいいだろうか。不思議な映画。
未来に人々は死ななくなった。その中で「最後に死ぬ」とニュースで注目される老人ジャレッド・レト。彼が死の間際にインタビュアーと会話しながら、これまでの人生を振り返り、そのなかで様々なパターンの人生がプレイバックされる。ifの連続。
ほんと、走馬燈ってこういうことかと思うような感じ。凝った映像が入り組んで次々に映し出されて、ちょっと難解でもある。いったいどれが本当のジャレッド・レトの人生だったのか混乱する。まあ最初っからはっきりしない雰囲気は感じ取れるので、あとは心象風景を楽しめるかだ。黒澤明「夢」にも通じるものがあると思う。
ジャレッド・レトも達者だが、その少年時代を演じた俳優もなかなか。その母親もなかなか。
サラ・ポーリーやダイアン・クルーガーはジャレッド・レトの妻役(もしくは妻になったかもしれない女性)で、それぞれifの連続である。サラ・ポーリーは若干脇役強めで、ジャレッド・レトの運命の女性はダイアン・クルーガーだったのだろうなという作り。ということは、おそらく結ばれなかったのかなという気にもなってくる。色々と考えさせられる。
映像も音楽も雰囲気たっぷりで、映画を観たなあという気にさせてくれる。でも難解なので人を選ぶかもしれない。
ジャレッド・レトは作品に恵まれてるなあ。
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