ER 第8シーズンを観終わった


ER第8シーズンを観終わった。
第8シーズンはグリーン先生、ベントン先生の降板という2大エピソードをメインに綴られる。感動するところ多いシーズンである。観始めるとあっという間。ここでは第8シーズンを通して気になったところや気づいたところをメモとして残しておく。


第8シーズン第1話「四人の物語(Four Corners)」は、ウィーバー、ベントン、カーター、グリーンの古株4人それぞれの物語。同じ時間軸で色々なことがあった的な作劇だが、凝ってる割にはとっても地味で、ここまで地味なシーズンオープニングも過去になかったのではないだろうか。


Julie Delpy
ニコールという女性役で、第8シーズン第2話から登場し、計7話に出演。スペシャルゲスト扱いだろうが、果たしてジュリー・デルピーの知名度はいかに。このとき、まだ30歳代に入ったばかりのジュリー・デルピー。昔は結構いけてたはずだ。トリコロール白の愛とかねえ。なぜか1990年代の後半くらいから消えてしまった。薄幸美人。


ジュリー・デルピーはルカの相手役として登場したが、最初から何かやらかしそうな雰囲気は作られてた。ERのアルバイトに潜り込んだが盗癖があり、フランクが大爆発。ルカの子を妊娠したと言ったり妊娠は嘘と言ったり、何だかんだでルカを振り回す。アビーも。


Vondie Curtis-Hall
ベントンの子供リースの母親カーラ・リースの現在の旦那であるロジャー役。血は繋がっていないがリースを自分の子供と主張しており、ベントンと親権を争う。第8シーズン第2話から登場。第8シーズンの間に数話出演。
ところがロジャーはもっと前から登場している。このVondie Curtis-Hall登場の映像は、第7シーズン第22話の映像を「前回までのあらすじ」として流しているときの映像なのです。これを観てびっくりしました。「あ、ロジャーが入れ替わった!」と。


これが実際の第7シーズン第22話の場面。このとき、ロジャー役はVictor Williamsが演じていた。しかし役者交代があったのでしょう。このシーン自体を撮り直して、第8シーズン第2話の「前回までのあらすじ」に挿入されるという手のかかりよう。


どういう理由があるのかわかりませんが、ロジャー役の役者が交代。ということで、第8シーズン第2話「長居は禁物(The Longer You Stay)」は、なんと突然にカーラが事故死。リースをどちらが引き取るか…という局面に。ベントンもロジャーもどちらも子供への愛情は強く、最初は協力しあって融通を効かせたが、やがて裁判沙汰に。この一連のエピソードは非常に見応えのある話だった。裁判シーンも良かった。


Hallee Hirsh
グリーン先生の娘、レイチェル役で第8シーズン第3話から登場。第8シーズンの間のゲスト。すっかり反抗期になったレイチェルと病気のグリーン先生の物語。グリーン先生降板にあわせて登場しなくなる(第10シーズンで一度だけ)。しかし第15シーズン最終話にて、レイチェル・グリーンは医学生としてERにやってくるのである。これは実に出来すぎだが深い感動であった。


で、レイチェル役も役者交代が起こっている。第6シーズン第21話ではYvonne Zimaが演じていた。レイチェルというキャラクターは第7シーズンには登場しない。そして第8シーズンからはHallee Hirshになったと。


なので、ここでも、「前回までのあらすじ」に挿入される映像を撮り直しているのです。まあいきなり役者が交代してるってこともこれまでもあったが、わざわざ前回の映像を撮り直すというのが凄いね。


他に第8シーズン第3話「激怒(Blood, Sugar, Sex, Magic)」は、ロマノの手話に感動。ベントンがリースの世話に手を取られて疲れこんでるところに、ロマノの厳しいながらも優しさに溢れた仕草となっているわけだ。ロマノもねえ…このまま良い人系でいければよかったんだが…


Sherry Stringfield
はい、スーザン先生が帰ってきました。第8シーズン第4話から。…かなり体型が変わっておりますが…
どういう経緯かわかりませんが、レギュラーが降板してまたレギュラーで帰ってくるのはスーザンだけだろう。帰ってきてからも、わりとブレないキャラクター。腕は確か。割と中立で人格者。でも体型が変わった。


David Hewlett
運び込まれた子供の父親役。第8シーズン第4話にて。David HewlettといえばVincenzo Natali監督作の常連ですね。あんまり他では観ないけど…


第8シーズン第4話「決して言わないで(Never Say Never)」ではマルッチが降板。経緯としてはケリー、チェン、マルッチの体制で患者が急変したときにケリーが不在でポケベルの呼び出しに応じなかった。で、チェンとマルッチだけで患者を死なせてしまう。ところがケリーはポケベルをトイレに忘れていたのを伏せてチェンとマルッチを厳しく処分。チェンは停職でマルッチとはギクシャクしてた。それでマルッチの品行が改まらないのでばっさり解雇。
マルッチは本当に出番がろくになかった印象。うまく扱えなかったのだろう。脚本の問題だと思う。キャスト多めにして何人か生き残れればいいか的になってきたのも第6シーズン以降の傾向である。


Bellamy Young
このERとは関係ないが医学生で、実は勉学の集中力を高めるために薬物依存していた。なんかちょくちょく映画やドラマで観る顔。


Sharif Atkins
ガラント役で第8シーズン第7話より登場。最初は医学生。というか軍人。第8シーズン第15話よりレギュラー昇格。凄い影が薄いながらも出演は続き、だんだん頼れる戦力に。第10シーズン第18話で軍役のためいったん降板。でも時々出演はあり、ニーラにプロポーズしたり戦地でのエピソードありだった。あと爆死。
とっても芯の強い若者。ベントン先生のキャラクターの後継者ぽかった。今から思うと、この頃、放映時期は9.11の直後である。強いアメリカ像が登場する必要あったのかも。軍人は崇高だったのかも…と穿った見方をしてしまったりして。


第8シーズン第7話「もし神の慈悲に背いたら(If I Should Fall From Grace)」に至る、コーデイの猜疑心エピソードは何だったんだろう。コーデイが執刀する手術患者が相次いで死亡することから調査沙汰だなる。コーデイは事件に共通してる人物を洗い、自分の潔白を証明しようとするのだが…この話、何だったんだろう。麻酔科医が怪しいとかオフィスに侵入したり、ヒステリーっぽく問い詰めたり。


Roma Maffia
ベントンの主要エピソード、リースの親権争いにてベントン側の弁護で出てくる。数話出演。どっかで観た顔。


Lisa Vidal
タフな消防隊員、サンディー役。レガスピーと別れたケリーの、運命の人。最終的には子供を産んで死亡するというドラマチックな最後。第10シーズンまでちょいちょい出演することに。


第8シーズン第8話「曇ところにより雨(Partly Cloudy, Chance of Rain)」は、そんなケリーが運命の人に出会うエピソードでもあるが、この大雨の中の決死の治療はかなりの見どころ。普段は目立たないケリーとガラントが大活躍。


Tom Wright
ベントンと親権を争うロジャー側の弁護士。Tom Wrightは映画で良く見るねえ。この第8シーズン第9話での裁判シーンはとても緊張感あった。


ほか、第8シーズン第9話「親子(Quo Vadis?)」に至るまで、カーターとスーザンは接近していくのである。スーザンが戻ってきたときグリーンはコーデイと結婚していた。だからグリーンが揺らぐこともなかったわけだが、考えてみればカーター君はスーザンに少し憧れていたな。
それでここに来て、何故か体型の変わったスーザンとカーターが恋人風になってしまうのである。


第8シーズン第10話「クリスマスはわが家で(I’ll Be Home for Christmas)」にて、とうとうベントンが降板。
親権を辛くも得て、その親権を得るためにERを辞めて別の病院に転職したのである。というかその別の病院というのはクレオ・フィンチが既に勤めているところだ。クレオはERを普通にいつの間にか辞めていた。というわけで、ここでクレオ・フィンチも降板。なんか非常に影が薄すぎて気の毒なレギュラーだった。レギュラーっぽくなかった。
ベントンは最後はカーターと変わらぬ信頼感の余韻を残しつつ、ERを去っていくのであった。感動だった。
ま、最終シーズンで復活するわけですが。


Christina Hendricks
アビーの隣に引っ越してくる女性。旦那が暴力亭主でDVばりばり。アビーにもやがて被害が…というエピソード。Christina Hendricksって顔と体のアンバランスが凄い。予想以上に太ってる。


第8シーズン第12話「不信と後悔と(A River in Egypt)」ではケリーが追い詰められる。チェンが強気に復職を要求して通った。ケリーがポケベルを忘れていたことを突き止めたため。また、サンディーとの仲をERに公表できず(ロマノにレズビアンであることはカミングアウトしていたが、ロマノは誰にも言ってない)、サンディーに振られそうになってしまう。
結構スピード感あって緊張感もあって、良エピソードのひとつである。だけど書いたように経緯が色々あるのでここだけ観てもよくわからないだろうが。


第8シーズン第14話「運命の波間に(A Simple Twist of Fate)」では、グリーンに遂に脳腫瘍再発の兆候が表れたのである。第8シーズンは後半に入り、一気に緊張感が増すのである。


他にもこの回ではアビーの隣のDV亭主が怒りを爆発させる。アビーが暴力亭主から女性を救おうとしたから。このへんはアビーの断酒できないエピソードも絡んでとっても重苦しい。ルカはそのDV亭主を探し出してボコボコにしてしまった。


第8シーズン第16話「秘密とうそ(Secrets and Lies)」は、いつもと雰囲気の異なるエピソード。ERでとある悪戯をしてしまい反省授業を受ける人々。でもいつまで経っても先生が来ず。暇を持て余して会話が連なっていくうちに色々と見えてこなかった心情も明らかとなり…
実に演劇っぽいつくり。良エピソードのひとつ。


で、ここでスーザンとカーターは何となくの関係にピリオドを打つのである。やっぱりお互いに運命の人だと感じていなかった。遊びとも繋ぎともとれない、微妙な関係だった。


Lori Petty
第8シーズン第18話にて緊急で担ぎ込まれる妊婦。この回はグリーンがERを去る回で、妊婦が出てくるとどこか運命的だ。Lori Pettyは「プリズン・ブレイク」の番外編(サラがプリズン・ブレイク)にて女囚人ボスだった。


Mekhi Phifer
いきなりERにレジデントとして登場のプラット。第8シーズン第18話から登場し、第9シーズン第1話よりレギュラー昇格。第15シーズン第1話で死亡、降板。延べ135話に出演。後半のERを支えた。正義感が強く指導者肌となっていった。わりとカーター君のキャラクターを継ぐ存在。女好き。なんかカレーパンマンみたいな表情をしょっちゅうする。兄のエピソードやチェンとの腐れ縁のエピソードが終わったあとは身軽になった感じ。


第8シーズン第18話「空に輝くオリオン(Orion in the Sky)」でグリーン先生はERを去る。病状が悪化するなか自分の限界を認めないグリーンだったが、この回で残りの人生の過ごし方をガラッと考え直すのであった。
そして特別出演だが、第1シーズン第1話にて患者で出ていた二人がこのグリーン先生を送り出すように登場するのである。これはとても胸の熱くなる演出でした。


第8シーズン第19話「緊急事態(Brothers and Sisters)」は、レギュラー降板直後もあって、大型エピソードの投入である。クロスオーバーと呼ばれているもので、ERと同じくジョン・ウェルズが手掛ける「サード・ウォッチ」の第3シーズン第19話「いわれなき拘束(Unleashed)」と合体しているのだ。
ERのほうが前編、サード・ウォッチのほうが後編という形。スーザンの姉クロエの子スージーから電話がかかってきてスーザンは心配になってニューヨークへ飛ぶ。


スーザンに請われて渋々クロエを探すサード・ウォッチの人たち。自転車に乗ってる自称自警団は実は重要人物だった。


クロエはドラッグ中毒に戻っていた。うなだれるスーザン。でも姪は見つからず。


いったいスージーはどこに…と茫然としてしまうスーザンなのであった。
と、ERのほうではここで終わるのである。びっくりするのだ。え?解決してないじゃないかと。この解決編をサード・ウォッチのほうでやるのだ。(ちなみにERの翌週エピソードでは、なんとか解決したようなことをスーザンは喋っているのだが)

以下、サード・ウォッチ側のレギュラー陣を並べておく。


Amy Carlson


Molly Price


Kim Raver


Jason Wiles

ちょっと「サード・ウォッチ」は観てないので誰が誰だかだ。
で、クロスオーバー後編となるほうは今まで観てなかった。そもそもビデオやDVDが出てないのです。第3シーズンは。ケーブルテレビだと観られるんだが…


というわけで、Youtubeで観ました。英語だし字幕もないけど、ストーリーは予想通りなので何とかなるでしょう。
そうか、こっちの後編ではERの人たちは一切出てこないんだね… ま、スージーも助かって良かった良かった。


第8シーズン第20話「手紙(The Letter)」では、グリーンからERの人たちへ宛てた手紙が届き、それを読み上げるカーター。しかし、あわせてコーデイからの悲しい知らせが。この手紙を読み上げるカーター、微妙な変化に気づくスーザン、手紙を掲示しておいて皆が読んでいる風景など、実に練られた演出である。


この回では、刺激の強い医療現場にめげそうになるガラントを、カーターが慰める。これはカメラワークから構図から台詞から、第1シーズンのグリーンとカーターに比しているのである。カーター君は成長したなあ。


第8シーズン第21話「託す思い(On the Beach)」は、グリーン先生特別編という趣。第18話でERを去ってから死に至るまでを追ったもの。グリーンはレイチェルの今後を心配している。でも反抗期ということもあって素直に向き合えないレイチェル。


葬儀の場面ではマイケル・アイアンサイドもゲスト出演。


Nestor Serrano
第8シーズン第22話ではERが大混乱に陥る。そこで現場の指揮をしようとするのがNestor Serranoなんだが、この人は映画でよく見る顔。


この第8シーズン第22話「閉鎖(Lockdown)」では、えらく忙しくて混雑しているERにて、ある親子がかなり待たされている。でカーター君がその子供を看て凍りつく。これは天然痘ではないのか?と。で、空気感染するからERを閉鎖しないと…ということで、まだ天然痘か明らかになってないが(天然痘はとっくに絶滅していて誰も見たことがない)、この閉鎖により患者も大混乱になる。外に出られないから。


ま、レギュラーが降板した後は気合エピソードの投入、という法則がここにもあてはまる。かなりのスピード感と緊張感であった。また、ルカと別れた後にアビーと、スーザンと深い仲にならなかったカーターが、お互いに惹かれていることに気づいて、とうとうそんな仲になる回でもある。
話はまったくの途中で終わる。とんでもないクリフハンガーの第8シーズン最終話だ。

第8シーズンは実に良エピソードが多かったように思う。グリーンとベントンの降板が大きかったが(というかマルッチもクレオも降板してる)、それを補って余りある気合の入った話がたくさん量産されたシーズンだった。
ようやくここで半分。

ちなみに第9シーズン第1話はこの混乱の続きが描かれるが、そこではさらにとんでもない事故が起こる。

 

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