「ダークホース リア獣エイブの恋」を観た。
2011年の作品。監督はTodd Solondzで、以前観た「ストーリーテリング」の監督だと今知った。あれは面白くなかった。
主演はJordan Gelberで誰なんだろうこの人は。相手の女性はSelma Blair(「キューティ・ブロンド」の憎まれ役)、クリストファー・ウォーケンとミア・ファローとか。
どうも邦題やらジャケット画像からコメディ色を出してないでしょうか。観終わって思うのは、これコメディでも何でもなくて、異色ドラマであると思った。この邦題を決めた人は、本編をちゃんと最後まで観てないんじゃないのか?
主人公は非モテの中年+ハゲ+デブという属性で、父親が経営する不動産会社に勤めている形を取りながらも、実際には何もしてない。とあるきっかけで知り合った女性に交際アタックをかけ、いきなり結婚を申し出る。自分が色々とうまくいってない焦りを自覚しながらも、どうにも出来ない…という日常を描く。
時おり、突如妄想シーンが挿入される構成であり、だんだんと現実と虚実がわからなくなっていく感じ。これすべてが夢オチなのかなあというくらい、複雑な見た目になっていく。最後は主人公は実は事故にあっていて肝炎も併発して中年女性に看取られながら死んで…という感じになるのだが、それもさらに最後には中年女性の妄想なのか??という解釈も出来なくもない。
色々な感想をもてる鑑賞後なのである。決して面白い作品ではないのだが、なんか不思議と印象的だった。
とにかく凄いのは中年女性を演じたDonna Murphyでしょう。無名に近いんじゃないかと思うのだが、この女性が弱気な経理担当をやってるかと思えば、凛とした男食いみたいなアラフォーみたいに豹変したりして、随分と達者で驚いた。
この素晴らしい演技を観られただけでも収穫だと思う。
しかし、これはコメディじゃないです。コメディだと思って観るとびっくりするだろう。
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