阿刀田高「冷蔵庫より愛をこめて」を読んだ。
久しぶりに読んだ。阿刀田高の初期短編集だ。
これは世の中の評価はそれなりに高く、俺も初めて読んだときは面白いなあと思っていたけど、今になって読んでみると、やっぱり面白いなあと。
なんだそれ。
正直、色褪せた印象はあるのだが、これよりクオリティの高い短編集があるかと聞かれるとちょっと迷うので、こういう評価になる。
はじめて読んだのは高校生のころ。このときの本はどこへ行ったんだろうか、実家か。
次に読んだのは東京に出てきたころだったような・・・なんか、あの高井戸と八幡山の間に住んでたころに読んだ記憶がある。
このときの本もどっかへ行ったな。
今、持っている本は、たぶん神保町で買ったのだろう。
なんか「悪女について」といい「夢の砦」といい、こういう本って一生そばに置いておきそうだなあ。
そこまで面白いわけでもないが、もう本棚にあって当たり前の本になっていて、しかもそいつは何度も買いなおしているわけだしな。
「冷蔵庫より愛をこめて」は、どの短編も主人公は30?40歳代の、色々なことに迷いが生じている男なんだが、昔読んだときよりもそのへんに感情移入するところがあり、不思議な読後感を味わった。
そうか、何度か読み返しても、こういう感覚ってものがあるのかーとつくづく変な気分になった。