チャリンコを撤去されてしまったので

チャリンコをとりにいった。

地図で確認したところ、その保管場所は藤が丘の駅から歩いていける気がした。
何となく確認しただけなところが危ないが、しょうがない。その場所は市が尾駅東南側の高速道路だか何だかがたくさん入り組んでいるところで、地図でもやる気なく番地が書いてない。
行ってみたら見つかるであろうと、歩いて出発する。

ちなみに雨など降ったりもしていたが、気にしないことにする。
地図のうろ覚えを頼りに道を進む。やがて随分と広々したところに出た。
上空は高速道路だか何だかが渦巻いている。
しかし、その実際に俺が歩いているところには何もない。閑散としている。

「あー、映画とかでよくあるな。ヤクザ映画とかで。人を始末する場所だな。車のトランクに縛って寝かせて運んで来て、こういうところに着くとおもむろにトランクを開けてピストルを数発てな感じだな」

そして埋めたりするんだな・・・とボンヤリ考えて歩く。
人がいたので道を聞く。そして簡単にたどり着いた。

そこにはおじさんが三人もいた。
何もないこの空間に、おじさんが三人も雇われていることに違和感を感じた。
お金を払って、身分を証明して、チャリンコを引き取る。
さりげなく事務所を観察したが、パソコンなどなかった。タイムレコーダーがあったのが印象的であった。

おじさんの一人は俺を連れて行き、「このへんが、一昨日撤去したやつ」と言う。
数十台のチャリンコを指してそう言い放つ。つまり探せということか。

あーやっぱり番号で管理なんかしてねえ。

帰り、適当にチャリンコを走らせたら藤が丘に到着した。
藤が丘はそんなに繁盛しているとは思えないのだけど、今までの閑散っぷりとのギャップで、何だかほっとしたのだった。