眼帯

右目の下んところが、まだ痛い。
ほうっておけば治るのかと思いきや、ますます膨らんできた。

どうしようもないので病院に行く。

しかしこのへんはまだ全然知らないのだ。病院なんてあったっけか。
藤が丘の駅のそばにでかい大学病院があったのを思い出した。
今日は午後から面接があるのでいそがなければいけない。朝っぱらから病院にかけこむ。

「何か紹介状とかお持ちですか」「持ってないです」
「えーとですね、この前から制度が変わりまして、そういう場合にお金を別に頂くことになってるのです」

何だか嫌な気分になる。つうか、そんなこと言われても嫌だとは言えんやろ。
しばらくして、眼科の受付に向かえと言う。眼科に行くとおびただしい人の数。
目を診てもらう人って、こんなにいるのかよどういうことだよってくらい人がいた。
受付で「どういう症状か書いてください」と紙を渡されたので「ものもらいではないのか」と書き、突っ返す。
そこで一時間以上待つ。
やっと名前を呼ばれると、視力を計るのだと言う。何でそんなもん計る必要があるというんだ。
そしてまた、一時間以上待つ。
診察。

「これは・・・なるほど」「何ですか」
「じゃあ眼圧を計るので麻酔の目薬をしますからね」

おお。これは「ER」でもやってたやつじゃないか。カーター君が。実際すぐに効いたぞ。しかも眼圧計が触れるのを感じなかった。すごいじゃないか。
いや、そんなこと考えてる場合じゃない。

「ものもらい、ではないですね」「そうなんですか」
「ええ。ですから感染するとかそういうのじゃありません」「はあ」
「例えて言うならニキビみたいなものが目蓋の裏にできたというか」「へー」
「目薬を出しましょう」「あの、これは何か理由があってできるんですか」
「んー」「不潔にしてたとか、そういうことですか」
「そうじゃありませんね。いっくら洗顔してもニキビができるときはできるでしょう」「はあ」
「だから、しょうがないんですね」

何がしょうがないのかよくわからなかったが、目薬をさしとけば治るというので安心する。

「ただ、この目薬をさすことの経過を見守りたいので、二週間したら来てくれますか」「え、また来るんですか?」
「そうです。その経過を見せてもらわないと」「そうですか・・・」
「実際、今日も結構待たされたとは思うんですが」「ですね」
「来れますかね」「平日なんですよね。日曜日とかやってないんですもんね」
「そうです・・・」

ここでお医者さんは(女の人だった。まだ若い)少し困ったように笑った。
でもすぐに答えた。

「それは・・・来れないですね。無理です」
「・・・わかりました。じゃあ目薬は弱い成分のものにしておきます」

申し訳ないなと少し思ったが、こっちは急いでいたので気が焦っていた。
眼帯をつけて面接に向かった。
もうギリギリだった。
でも何が嫌だったって、目薬もらっただけで6000円もとられたことだ。