吉田修一「静かな爆弾」を読んだ。
なかなか面白かった。
吉田修一の最高傑作ではないけれど、いつもいつもクオリティ高めだなあ。
番組制作をする男と、耳の不自由な女の物語。
ストーリーはオーソドックスで、まさにboy meets girlなんだが、細かい心情描写がこの作者ならではの達者な感じで読んでて心地よい。
全編とおして、どこか不安定な日常で、それが雰囲気たっぷりで惹きこまれる。
中盤のシーン、耳が不自由で背後で喧嘩してても気づかずに笑って手を振るというシーン、読んでてイメージがばーんと伝わってきて、実に映画でも観てるようでしたよ。
ありゃあいい場面だった。
あっという間に読み終わるし。ボリュームもいい感じでした。
(読後感は、まったく気分はよくならないけど)