とうとう歯医者

歯医者に行った。

前歯とか犬歯とか、めだつところに汚く虫歯ができていて、それはもう認識してたんだが、なかなか行く機会がなく。
それで最近になってふと、「これじゃ駄目だ」と思い唐突に歯医者を予約したのだった。

えー以前に行ったのはいつでしょうなあ。あの池袋から有楽町線で一駅の、要町という場所がありますが、あの歯医者に行ったのが最後だから、もう4?5年前か。あの歯医者は歯磨き指導に厳しかったなあ。

今回は表参道の歯医者なのだが、なにやら評判がよい。会社の人は結構そこに行ってるらしいのだが「腕は良い」と聞く。「なんかちょっと高い気がするが、とにかく腕は良い」という声も。

行ったらまずレントゲンを撮られた。レントゲンを診て先生は「ありゃー」と言う。

「虫歯、けっこうありますね。痛いでしょう」
「いえ」
「あ、そう…あー神経がえらく奥深くまであるねえ。これ珍しいなあ。だからちょっとくらいの虫歯じゃ痛くないわけか。普通の人だったらこれ、もう我慢できないと思うよ」
「そうなんですか」
「痛みがないから、病院行くの遅くなっちゃうわけですよ」
「はあ」
「あきらめてます?」

と、先生はマスクを取るのだが、これがもうイッセー尾形の名作「フロント」の人にそっくりで、急に親しみを感じてしまった。
「ね、もう寝ないと。フロントさんも大迷惑…」とかイッセー尾形のセリフが浮かんできたりした。

「じゃあね、応急処置しましょう」
「え?」

そう言うといきなり前歯だか犬歯だかのデリケートな虫歯部分を思いっきり削り始めた。
もう有無を言わせぬ感じでいきなりだったので心の準備もなく、え、今日って初診だしそういうときはこれからの治療計画とかを話し合ったりとりあえず今日は歯石を取っとこうかとか歯磨きの仕方をお姉さんから習ったりとか、そういうスロースタートじゃないのか?

とか考えてる間もゴリゴリとデリケートな部分を思いっきり削られて、キュイーンッッてのもやられて、おいおい麻酔しないの?俺酒飲みなので麻酔効きにくいんですよねーとかそういう話も用意してたのに麻酔しないの?

とか考えてる間もさらに削られて、それで「はいよーし」と終わった。

痛くなかった。やっぱ腕はいいのか?
これから何ヶ月か通うことになるのだろう。

もういい歳だしな。これで最後にしたいもんである。

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