「銃撃のレクイエム」を観た。
ハーベイ・カイテル、ジョン・レグイザモ。他にDiane Venora、Florencia Lozano。邦題の「銃撃のレクイエム」はありそうでなかった題名だ。盲点というやつか。原題は「The Ministers」で、2009年の作品。
ジョン・レグイザモは一人二役である。合成CGは最低限にとどめて、基本は代役による交互演技。
かつてハーベイ・カイテル(刑事)の相棒でDiane Venoraの夫だった男が突然街中で射殺された。それで時を経て、成長した娘がFlorencia Lozanoで、ハーベイ・カイテルの相棒となっている。その娘に接触してきたのがジョン・レグイザモ。
忌まわしき事件の背景とか、腐敗とか、ある程度予想はつくが刑事ものの一つのジャンルを淡々と綴る感じではあります。どこかで観たようなシーンと台詞が多いし、目新しいところが少ないのも事実。でもジョン・レグイザモの二役(これは多重人格の話なのか?と思わせておいて、そうではなく本当に二人いるという設定なのねということは、中盤ではっきりしてくる)による演技が見ものということだろう。
ジョン・レグイザモは作品に恵まれているが役に恵まれていないというイメージで、どうしてもっとわかりやすく売れないのだろう。不思議だ。
映像は全体的に重く暗く、Florencia Lozanoもヒロインという位置で受け止めていいものやら微妙な感じもあり、色々と地味な映画なのですが、どこが悪いというわけでもなく、重厚であった。ハーベイ・カイテルはずっとこういう渋い路線だけど、ロバート・デ・ニーロの迷走に比べればましだと思える。
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