桐野夏生「光源」を読んだ。
ある映画を作る現場のドタバタ。何人かの思惑とかが絡みあう。
最近の、読み応えがあるものとは違うなと感じた。
軽いわりには読みにくい。引っかかる感じがある。
誰が主人公なのか、はっきりさせてない。
撮影監督、制作、監督、主演男優、主演女優などが各々の立場で勝手に行動。
どうなればゴールなのかわかりにくく、しかもゴールになんか辿りつかない。
正直、読み終わるころには戸惑いがあった。「あれ?映画完成しないの」
それが、当時は粋だったりしたのかもしれないですけどね。
今読んでみると、映画が完成しないせいで、ちっとも面白くないのだな。
どっちかというと、小林信彦「夢の砦」のようなものを期待していた。
なのでちょっと残念。