「スピーク」を観た。
モキュメンタリーのホラー。とある建物が呪われてるという前提で、ウェビソードを撮影するために一団がやってくる。撮影を進めるうちに、怪現象が次々と起こり…という、それはそれで本格的なホラーだ。
序盤から割と雰囲気はばっちりで、全体的に暗いんだが理詰めじゃないので怖い演出は自由自在だ。
モキュメンタリーとはいえ、この作品が緊張感高いのは、最初からほぼワンショットになっているせいだと思う。とりあえず全部撮っておこう、カメラは一つだけど、という設定のせいで、ずーっとカメラを回しっぱなしなのである。おそらくうまいところで切っているのだろうが、普通に観てるとワンショットに見える。ヒッチコックの「ロープ」もワンショットで有名だがあれはフィルム交換があった。「スピーク」は本当にワンショットで繋がっている(ように見える)。
観始めたときは、よくあるモキュメンタリーでB級なんだろうと思ってた。けど、このワンショットのおかげで急に本格風味になるから不思議だ。
映画のほうは、割とよくあるホラーであり理詰めじゃないのでどんどん不可解に死んでいく。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は後からビデオカメラが発見されたのを上映するといった主旨だが、この映画の場合はどうやってこのビデオカメラを回収したのだという疑問も残る。よくよく考えるとラストのほうは曖昧なのだが、それでもそこそこ緊張感が高いまま最後まで駆け抜けていくので佳作だと感じた。あと超脇役でトム・サイズモアが何故か出演してくるし。
怖いの苦手ならダメでしょうが、モキュメンタリー好きなら。
でも「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」ってパイオニアとして良く出来てるんだなあと思った。
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