松本清張全集18「波の塔」を読んだ。
これは何というか、ドラマのノベライズのようだった。もしかしたら読んだことがなかったのかもしれない。
ミステリでも何でもない。これといった謎もなく、もちろん殺人事件もない。
終盤でドラマ的な場面が用意されている。おそらくそこをやりたかったのだろうと思える作劇。
若い男がいて、人妻がいて、それで人妻の旦那がいて。
まあそれで時代なのか、もどかしい展開が続き(これがもうとんでもないボリュームなのです。連載小説だからだろうか、とめどないのです)
1959年?「女性自身」にて連載。1960年に出版、同年に映画化、1961年にドラマ化。
すごいね。勢いが。
当時だからこそ、読者の共感を得たのでしょう。
今これを読んで、とても面白いかというと、正直そういうことはない。
そういえば2006年の暮れにドラマ化されていたのは、この「波の塔」だったのか。そうかそうか。
麻生祐未だったな…
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