キラー・スナイパー

「キラー・スナイパー」を観た。

ウィリアム・フリードキン監督作である。ウィリアム・フリードキンといえば「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」などの成功だろうが、これらはもう40年以上前の映画である。

マシュー・マコノヒー、ジュノー・テンプル、ジーナ・ガーション。あとトーマス・ヘイデン・チャーチとか、主演はエミール・ハーシュ(「イントゥ・ザ・ワイルド」の主役で一見ジャック・ブラックをほっそりした感じ)ということだが、主演だったかは微妙。

登場人物が少なく、こねくり回し系である。みんなが主演ともいえるし、誰を応援していいのかわかりにくい。舞台の映画化ということで、そのへんを上手に整理できてない感じがした。

クライム系もしくはサスペンス映画なのだろうと思うが、「これはコメディなのだろうか」と戸惑うところもあった。元の舞台がコメディなのだとしたら大変なことだ。あまりストーリーで笑えないので、何で映画化したんだってことになる。

エミール・ハーシュは隠していたドラッグを母親に売られてしまってお金がなくなりピンチになる。それで知り合いに聞いた話をヒントに母親を保険金目当てで殺そうと考える。離婚した父親(トーマス・ヘイデン・チャーチ)とその再婚相手である義母(ジーナ・ガーション)も巻き込む。殺し屋を雇おうとしてマシュー・マコノヒーに依頼するも、前金が条件だと言われる。前金はない。エミール・ハーシュは途方に暮れるが、そこでマシュー・マコノヒーは言う。「妹(ジュノー・テンプル)を担保ってことにしてもいいぞ」

ジュノー・テンプルがやや天然というか頭の弱い少女を演じており、でも体はしっかり成長していてマシュー・マコノヒーが目を奪われる。冒頭のジーナ・ガーションの「ザ・底辺」的な佇まいやジュノー・テンプルの半端ない奔放さに若干ひいてしまう。あとマシュー・マコノヒーのフライド・チキンのエピソードなどは相当に下品である。「リンカーン弁護士」と同時期の作品とはいえよくこんな役を引き受けたものだ。「ダラス・バイヤーズクラブ」や「インターステラー」などの本格作は数年後のこと。

ジーナ・ガーションが顔を血まみれにしたままで家族の食事を始めようとしたり、エミール・ハーシュはそれをみて何も言わないところとか、とんがったギャグだと思った。舞台劇ではそういう本筋と外した笑いを連発したようなジャンルだったのかもしれない。でも映画化ではうまく処理されていなかった。

ただ、なんでだか楽しめた。登場人物も少なく各キャラの出番が多い。とくにジーナ・ガーションとジュノー・テンプルのポテンシャルの高さを感じた。

あわせて読みたい