アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー

「アメリカン・スナイパー」を観た。

American Sniper

ブレッドレイ・クーパー主演。クリント・イーストウッド監督作。
実に手堅い作品だった。

イラク戦争に何度も従事して160人以上を殺害したスナイパーの物語である。
映画としては戦争の悲惨さ、虚しさを切り取りたかったのだろう。別にアメリカ万歳というわけではないと思う。というか思いたい。でも、凄い射撃の腕前を持つ男が、その才能で「レジェンド」と呼ばれ、頼りにされ、という話を他の国の人が観たらどう思うだろうか。と、いうことをイメージもせず制作しているのだろうかと思わずにはいられなかった。

もちろんアメリカン・スナイパーはそれだけの腕前でありながら人を殺しまくっているので平常心が人とは違う状態で、戦地に戻りたいという衝動を抑えられず、何度もイラクへ行くのだ。まるで「ディア・ハンター」を現代に置き換えたようだ。

冒頭、自部隊に突っ込んでこようとする母子がいて、母が射殺されると今度は子供が突っ込んできてそれを射殺する。その様子が描かれますが、実はかなりこれは(表現はあれだが)画期的なのではないかと思う。今まで、子供が実際に撃たれたり死んだりという描写をする作品を観た記憶がない。(死んだ後という、倒れてたりする表現はありますよ。でもいま銃撃されたとかのシーン)
どんな映画でも、そこはタブーとして間接的な表現でお茶を濁していた作品ばかりだった(「ファニーゲーム U.S.A.」でこれについて書いてる)が、本作ではそこをはっきりと描写した。もしかして白人じゃないからか?まさか…

まあクリント・イーストウッドの年老いて意欲的な作品ではあったと思います。最後の終わり方も悲しげだし。

2014年(第87回)アカデミー賞
作品賞ノミネート
主演男優賞ノミネート(ブラッドレイ・クーパー)
脚色賞ノミネート