ブラック・ミラー 第2シーズンを観終わった

「ブラック・ミラー」第2シーズンを観終わった。

特徴は、第1シーズンを観たときに書いているが、

基本軸としては少し未来を舞台としていて、スマートフォンなどのデバイスとインターフェースはさらに便利になっている。そんな世界でコミュニケーションやソーシャル性や本能がどのようになっていくかというテーマ。よくフューチャーテクノロジーを示した映像が(主にITベンダーによって)作られたりするが、ああいうそれなりに便利な世界は当たり前になっているのだ。そこで繰り広げられる人間模様。

第2シーズンも非常に面白かった。よく出来たアイデアと、それを映像化する確かな技術。やや政府や選挙を皮肉るところがイギリスっぽい。どのエピソードも味があって面白い。

ずっと側にいて
第2シーズン第1話「ずっと側にいて」

今や「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」など快進撃、ブレンダン・グリーソンの息子ドーナル・グリーソンが出演。
彼(ドーナル・グリーソン)を事故で亡くして悲しむ彼女のヘイリー・アトウェル(「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」など)。死んだ彼とチャットが出来るというサービスの存在を知り利用する。膨大な音声や映像のログをアップロードしてAI解析するのだという。
次第にチャットよりも上のプランを求めて音声で話しをして、さらにアップグレードして人工ボディを届けてもらう。

どういう仕組なんだか凄いテクノロジーである。そして見た目は彼そのもの。しかしAIが弱いのかやや人間味がなく、次第にイライラしてくる彼女。
それにしても進化した世界だ。彼女が在宅で仕事に使ってるPCも未来的だったりと本筋と関係ないディティールも凝ってて世界観は実にばっちり表現。あくまで「新しい技術が生まれたことによって不便とか便利とかになる未来世界」を話の主軸に置くわけではなく、そういった世界が当たり前になっているときの普通のコミュニケーションがメイン。面白い。

シロクマ
第2シーズン第2話「シロクマ」

レノラ・クリックロウという女性が主人公。ある朝目を覚ますと知らない家の中。テレビに謎のマークが映っている。
外に出てみると隣家から人々が自分をスマホで撮影している。意味がわからない。遠くから覆面をした男がやってきて、自分を襲ってくる。意味がわからないまま逃げ惑う主人公。でも周りの人々は撮影してるだけで助けてくれない。

謎だらけで始まるエピソード。緊張感あり。
なぜか自分だけ襲われていて、周りの人々はどうして撮影してるのか。最終的には後味の悪いショー的な要素も解説される。本作はテクノロジーとやや無縁の世界観ではあるが、モラルがぶっ飛んだ演出は他の作品にも通じていると思う。

時のクマ、ウォルドー
第2シーズン第3話「時のクマ、ウォルドー」

選挙を皮肉るエピソード。
クマのウォルドーは、テレビ番組から生まれたキャラクター。かなり下品なジョークを持ち味としているが、大衆から人気。演じるのはDaniel Rigbyという人で、両手を駆使してハンドグローブみたいな機械を操作することでウォルドーを自在に操る。
政治家に食ってかかるのが受けて、やがてクマのウォルドーが選挙に出るという流れになる。それでも衰えない人気。演じる男は嫌気がさして暴露しようとするが、首になる。ウォルドーを代わりに演じる者はいくらでもいる。

討論会での政治家の指摘がとてもごもっともで、ウォルドーには主義主張がないし、政治的理念もない。ただ目の前にある公人をいじり倒すだけだ。だからウォルドーが当選したって何にもならない。なんてことは普通予想しそうなものだが大衆はわからない。
選挙システムを皮肉りながらも大衆の愚かさに帰結させてて、声を挙げた人は無視されてしまうという、ほろ苦い感じで終わる。

ホワイト・クリスマス
第2シーズン第4話「ホワイト・クリスマス」

このエピソードだけ73分と尺が長い。また公開時期がクリスマスだったようで、いわゆる特別編である。
本作は非常に凝った構成になっている。よくこんなの考えるなというアイデアの塊だ。とても「ブラック・ミラー」のコンセプトに沿っているものだった。

冬の山小屋で男が二人。ジョン・ハム(「ミッシング 50年前の記憶」ほか「地球が静止する日」など)とレイフ・スポール(「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」「プロメテウス」など)である。何かありそうな雰囲気たっぷり。やがてジョン・ハムが口を開き、これまでにあったことを語り始める。

ぜひ観たほうがいいと思います。
ジョン・ハムの告白と、ジョン・ハムの仕事と、レイフ・スポールの告白と。そして最後の非情な罰。
Twitterのブロックなんぞとはかけ離れた、とんでもないブロックが存在するのだ。見事な映像化。おそろしい。

面白かった。