ブラック・ミラー 第1シーズンを観終わった

海外ドラマ「ブラック・ミラー」第1シーズンを観終わった。
一話完結タイプのドラマで、シーズンごとのエピソード数は非常に少ない。
イギリス発のドラマで、Netflixで第1シーズンと第2シーズンが放送、人気となって第3シーズンはNetflixオリジナルとして制作されることとなった。

あまり何も考えず期待しないで観たらかなり面白かったのである。
基本軸としては少し未来を舞台としていて、スマートフォンなどのデバイスとインターフェースはさらに便利になっている。そんな世界でコミュニケーションやソーシャル性や本能がどのようになっていくかというテーマ。よくフューチャーテクノロジーを示した映像が(主にITベンダーによって)作られたりするが、ああいうそれなりに便利な世界は当たり前になっているのだ。そこで繰り広げられる人間模様。

国家
第1シーズン第1話「国家」

英国首相のもとに公爵令嬢が誘拐された一報が届く。要求は豚とアレするところを生放送しろというもの。拒否したら令嬢は殺害される。
首相は最初から断る気でいたが、要求は動画サイトにアップロードされてしまう。要求に真実味を持たせるためか犯人から令嬢の指が切断されて送りつけられる。世論は「首相は豚とやるべきだ」という方向に傾くのだが…

ブロークン」が強烈だった、硬軟どんな役でもこなす実力派ロリー・キニアが首相役で主演。豚とやるなんてありえないという態度から一転、世論や王室に抗えずに流れに身を任せる過程を悶々とするところで、実にロリー・キニアらしい演技を堪能できる。
めちゃくちゃ面白いエピソードだった。とても40分ちょっとと思えない濃密なストーリー展開だった。

1500万メリット
第1シーズン第2話「1500万メリット」

すべてがシステムに管理されている社会。人々はひたすらエアロバイクを漕いで「メリット」という通貨を貯め、それを絶えず視界に飛び込んでくる広告消去に消費したり、アダルトなどのペイチャンネルに消費する。ただ生きているだけの世界。主人公の黒人青年は禁欲に過ごして貯めた大金(メリット)を、ある女性にプレゼントする。その資金でオーディション番組に出場した女性は卓越した歌声で審査員を魅了する。しかし審査員は女性に…という話。

主人公はDaniel Kaluuyaという人。ヒロインはJessica Brown Findlayという人。
エアロバイクを漕ぐことで世界の経済を回せるのか意味不明だが、ここではとにかく人々のやれることが単純作業に落とし込まれていることがポイントなのだろう。それでそれを消費させると。カイジの地下作業場でビール缶が5,000ペリカで飲んで「キンキンに冷えてやがるっ…」というやつだ。広告を見ることが義務で、目を閉じて拒否すると警告が発せられる。見たくなかったら散財するしかない。見ても広告なので消費の罠がある。どちらにしても堕落へ流れるだけだ。そういうベーシックな設定がえらく面白いんだが、それとは別のところで話が進行するというクオリティ。面白かった。

人生の軌跡のすべて
第1シーズン第3話「人生の軌跡のすべて」

頭にチップを埋め込むことで過去から現在までのすべての記憶を残せて、自在に巻き戻し再生が行える世界。非常に小さいデバイスを使って再生巻き戻しが出来る。そのへんのディスプレイに映して他の人にもみせられる。便利なんだか意味がわからないが、あの頃は良かった…という想い出を実際にいつでもプレイバックできるのは便利なのだろう。
主人公はパーティで別の男が妻と親しげにしているので不審に思う。それがきっかけで夫婦は冷え切っていく…

「今日こんなことがあったんだ」「なるほどなあ」みたいに咀嚼して伝えるんじゃなくて、実際にテレビに映すことができるという世界なのだ。プライバシーはどうなんだというのもあるが、シェアは自己責任だ。また、夫が妻の不貞を疑ってアリバイ証明のために映像をみせろというのも、実は内緒でスマートフォンをチェックするようなもので、現在でも無くはない世界だ。つまりテクノロジーは進歩しているが、人々のコミュニケーションの質にそれほどドラスティックな変化は起きていない。まさに「ブラック・ミラー」のコンセプト通りのエピソードであると思った。面白かった。

シーズン1は何と3話だけなのです。
(まあどれも独立した話なので何話あろうと関係ないが)

非常に面白いドラマ。お薦め。

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