雪の轍

雪の轍

「雪の轍」を観た。

Kis Uykusu

2014年の作品。トルコ映画ということだ。トルコ映画…
パルム・ドール受賞作である。監督はヌリ・ビルゲ・ジェイラン。原作はチェーホフの「妻」だそうです。チェーホフ読んだことないけど。

カッパドキアを舞台にした雪景色の物語だ。なんだか寒そうな標高のところで遺産を受け継いでホテルを経営する初老の男がいて、年の離れた美人妻、口の悪い妹と不自由なく暮らしている。

初老の男に家賃を払えない中年がいてその息子が初老の男の車に石を投げた。家賃を払えない中年の弟は導師で、彼は謝罪したりして解決しようとする。家賃を払えない中年は初老の男らを憎んでおり、年の離れた妻がお金を渡そうとするもそれを中年は燃やしてしまうのだった…という話。

持つ者と持たざる者の対立といいますか、地主対借家人。「天国と地獄」なのである。
車の窓ガラスを弁償しようとする導師(中年の弟)が、その額が高額すぎて引いてしまい、後日とりなすべく石を投げた少年を連れて謝罪に訪れるまでのエピソードは非常に面白いと感じた。あの導師の、ひきつるようにニコニコしているバックグラウンドが何なのだろうと思うくらい、想像の余地を残す間と演技であったと思います。あの導師は良かった。

その導師のエピソードが終わり、次いで始まるのが初老の男とその妹が書斎で延々と口喧嘩する話なんですが、これがもう…さっきまでの余韻がすべて吹き飛んでしまうような最低の時間でしたね。荒れた喧嘩で場が壊れるとかのショックがあるんではなくて、なんだかひたすらダベってるんですよ。中年二人が。もう恐ろしいくらいに面白くなかったですよ。

その後、金を燃やしてしまうエピソードがあり、それは悪くなかった。
これは持たざる者の唯一できる反抗という感じで、とっっっっってももったいないと思ったけど映画的でした。

つくづく、中盤のあの初老の男と妹のエピソードが無ければなあという感じ。
あれさえ無ければ佳作だったかも。196分。なげーって。

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