松本清張全集20

松本清張全集20

松本清張全集20「落差」を読んだ。

長編である。読売新聞朝刊(昭和36年11月12日-昭和37年11月21日)とあるが、まさか毎日の連載だったんだろうか?
話は長いんだが、死人が出るわけでもなく(最後にちょっと事件はある)、推理小説というより大衆小説ではないかという感じ。

教科書執筆の大家となりその業界では成功した男と、その友人で四国の高知にてダム建設のために地元民と折衝に追われる男と、その男の妻と、あと病死した学者の妻と。
その4人が主人公。

教科書界の大御所が女好きで、人妻をモノにしようと必死になる話が延々と…
それで、こんなのストーカー&レイプじゃないかというような鬼畜の行い。

久しぶりにイライラしながら読みましたよ。
別にストーカーとかレイプとかは問題にしないけど、いったい松本清張は何をしたいんだと思ったものだ。

こんな駄目な男の色事計画を延々と読まされてですよ。
それで終盤でとってつけたように教科書界に警鐘を鳴らし。
(教科書を出版する会社は現場教師に相当の賄賂攻勢をかけて業界全体が腐ってるんだという、そういう実態を明らかにしたかったのかもしれないけど、あまりにもとってつけたようだった)

 
教科書が検定に通らないと何の意味もない、というエピソードのへんで「これはなんか読んだような気がするなあ」と思ってたら、同じく松本清張の「カルネアデスの舟板」(こちらは短編)でも、モチーフは教科書業界だったのか。

なんか何を表現したいのやら、さっぱり伝わってこなかった。
(いや教科書業界を暴露したかったのですかね。ピンときませんが)