キムさんと小沢と歌舞伎町

なつかしい人たちと会う。

練習があったのを忘れてて約束をしてしまい、そのため練習をはやめに帰らせてもらう。申し訳ないのだが確かに。
練習は西部池袋線でいえば桜台の近くだったのだが新江古田まで歩き大江戸線で新宿まで。何とか間に合う。

キムさんと小沢と歌舞伎町にて待ち合わせたのだ。二人とも歌舞伎町の居酒屋でバイトしてたときのバイト仲間だ。俺がバイト先で喧嘩して辞めたときに一緒にやってた人だちだ。何故かあのバイト仲間ってのはウマがあうというか、時々会っては飲んでいたりする。

キムさんは韓国の人で年上の人で、気持ちよくつきあえる人である。小沢はまだ学生なのだが引越しバイトばかりやってて筋肉がついてたくましくなっていた。
コマ劇場のそばの、しかし異常に安い店に入り、喧騒の中、大声で近況を話し合ったりする。
キムさんが来月からチェコに行ってしまうのである。
「二ヶ月行くんだけど。だけど航空運賃も含めて20万だよ。安いよね」
と言う。確かに安いかもしんないが、チェコっていうのが今ひとつピンとこない。小沢と俺は「チェコってどこだっけえーと」てな具合だった。

小沢は「わらび座」という劇団の営業に就職したのだという。「別に劇団のっていうのに執着したわけじゃないんですけどね。営業をやりたかったんですよ」「あれって確か地方をまわったりする劇団だよね」「知ってるんですか」「名前は聞いたことある」「本拠地は秋田なんですよ」「え、秋田が実家なの?」「俺っすか。俺は北海道です。でも近いじゃないですか」

近いか?とにかく小沢はそこへ行き、営業をバリバリやるのだという。「へーじゃあ来年には東京を出るんだ」「そうっすねえ」

やがて小沢は今のバイトの疲れからか眠そうになって千円札をパラパラと置くと帰っていった。キムさんと「チェコに行く前にまた会いましょうね。福山は火曜が休みなんでしたっけ」とか話をする。

それにしても連休だからか、おそろしいくらいに人がたくさんいた。活気づいていた。