ヴィクトリア

「ヴィクトリア」を観た。

2015年の作品。ベルリンを舞台にした140分ワンカットという驚異的な実験作だ。
ベルリンにやってきたばかりのスペイン人女性が主人公で、クラブで踊ってて疲れて外に出るところでドイツ人グループと知り合いになり、なんとなくそのまま行動を共にするうちに大変な目に遭うという話。

140分ワンカットなのである。世の中にワンカット風映画はたくさんあって、「サイレント・ハウス」「スピーク」「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」などがある。これらは実際にはワンカットではないが、ワンカットであるように見せている。場面の切れ目がないと緊張感が持続し、ホラーとかに相性が良いのではと思う。

本作は、本当のワンショットだ。脚本は僅か12ページだったらしく、ほぼ即興で演じているわけだ。一発撮りだったのかはわからないが、140分をワンショットでやるのは相当の準備が必要だったろう。一番大変なのはカメラマンだったはずで、本作でも映画が終わると同時にカメラマンが最初にクレジットされている。

孤独なスペイン人女性はドイツ人男性たちと意気投合し、喋りながら練り歩く序盤を観てて、ああ何だかダラダラしたのを延々とやるのかなと気が遠くなったが、後半ではストーリーが動いていてスピード感も緊張感もあった。この話はどうなるんだと思うような展開だった。

観終わってみると、140分ワンカットだからこそ余計にめちゃくちゃ準備段取りが大変だったに違いないと思えた。
もう一回観るかというと微妙だが(とても疲れた)、映画史に残るかもしれない作品だった。

ワンカットではないが、「ER」も第4シーズン第1話は生放送でやるという実験作だったのを思い出した。
あれもあれで相当の準備が必要だったはずだ。しかも生放送で失敗は許されない。東部西部で時間をずらして2回やっているしなあ。