天使のくれた時間

天使のくれた時間

「天使のくれた時間」を観た。

The Family Man

ニコラス・ケイジ主演、2000年の作品だ。共演にティア・レオーニ、ドン・チードル。
ifものというやつだ。人生に「たられば」は無いというが、もしあの時違う選択をしていたら…という大人のほろ苦い寓話っていうんでしょうか。

ニコラス・ケイジとティア・レオーニは若かりし頃に空港にいた。きっかけはニコラス・ケイジがロンドンへ留学するためなんだが、それをティア・レオーニは引き留める。しかし前途洋々のニコラス・ケイジは旅立つ。これを機に二人は別れる。
十数年後、成功したニコラス・ケイジはウォール街でばりばり働いていて独身を楽しんでいた。そんなときクリスマスにスーパーでドン・チードルと出会い、不思議なことを言われた。そして翌日目が覚めてみると、郊外の知らない一軒家だった。子供がいて、妻がいた。妻はティア・レオーニだった…という話。

もしティア・レオーニと一緒になってたら…という生活を体験するおとぎ話。ウォール街で働いていたときはリッチに暮らしていたが、ファミリー生活になるとタイヤを売っていた。そして倹約生活。これまでと180度違うので困惑するニコラス・ケイジ。家族と衝突しながらも、少しずつこの生活がかけがえのないものになっていくのだった…

さて、ifものとしては王道である。つましく暮らして明るい家族が善で有能だが冷淡でリッチな独身貴族が悪だなんて、とんでもない構造であるが、本作において家族で暮らすのが良いというニコラス・ケイジの選択なのだ。
しかしもともと金融屋として特異な能力はそのままなので、やはり頭角をあらわしていくプロセスがある。だから裕福だの貧乏だのは対立構造になってないのである。だからニコラス・ケイジの才覚で裕福だけど家族はそのまま、なんていう意味のわからない結末に向かっていく。ちょっとそのへんがどうなんだろうと思えた。

Lisa Thornhill

ただこの映画で白眉なのは、ニコラス・ケイジにひそかに想いを寄せ続けて数年のリサ・ソーンヒルではないでしょうか。ニコラス・ケイジは周りの人物との経緯・関係性がわからないのでリサ・ソーンヒルに「もしかして二人の間に何かあったっけ」とかまをかけるわけだが、その際の表情といったら、ちょっとアカデミー賞ものじゃないかと思いましたよ。

このシーンを観られただけでも、この映画が素晴らしいという印象を与えてくれるのだ。リサ・ソーンヒル恐るべしだ。