第1回迷走

とりあえず、江戸川橋まで行ってみることにした。

唐突だが昨日の続きなのである。自転車で行ってみるわけである。
大塚からだと何となく南の方角な感じがする。大塚から新大塚へ。ここまではわかる。ここからがわからない。とりあえず「大きい道路に沿っていけば江戸川橋にも通じてるはずだ」と考え、漠然と南下する。

すると見事というか、ぴったり江戸川橋に到着してしまった。

さて、ここでちょっと拍子抜けしてしまったわけだ。予定としては江戸川橋まで多少の苦労をして行き、そこで休憩がてら食事でもしてその後、高田馬場を経由して池袋へ行くつもりだった。そんなアンニュイな午後を過ごす計画だったのだ。

こんな、あっけなく江戸川橋まで来てしまった。何も疲れてない。
どうしようかとしばらく考える。(今、思うと素直に高田馬場に行っときゃよかった!)

結論として、そのまま南に向かった。

今まで南に向かってきて、あっけなく西へ向かうのもどうかと思ったし、「何なら新宿とか渋谷にでも・・・」とか考えてしまったのだ。

で、南に向かう。するとしばらくして見たことのある場所に。

「神楽坂?」
そうだった。神楽坂だった。「もうちょっと行ってみるか」と思い、細い道などを強引に南に向かう。急な上り坂が多い。「何でこんな坂が・・・そうか神楽坂っていうくらいだからなあ・・・」とぶつぶつ考える。道はやがて突き当り、うろちょろしてるうちに何故か大日本印刷の中に迷い込む。

とにかく引き返して他のルートをアプローチ、なんてことはしないのでそのまま強引に突っ切る。すると市ヶ谷に出た。

「あー市ヶ谷まで来た。さすがに疲れてきたなあ。ここらで・・・」とか思いながら、市ヶ谷駅のそばの交番の横にあるデカい地図を見る。「あ」と思った。地図はもちろん、市ヶ谷を中心に見た地図であるが、その東方向に皇居が載っている。
「皇居か。そういえば昨日、皇居くらいまで行くとか書いたな。何だか近そうだな。行ってみるか?」

少し張りきる自分が発動してしまった。ここで方向転換して東に向かう。

しばらく進むと左側にズズズッと、遠方まで続く塀が現れた。何だこれ?とか思ってたら、それは靖国神社だった。「そうなんだーここにあるんだー」もうすっかり、おのぼりさんだ。

ほどなく皇居の端っこについた。しかしまさか、ここから引き返すわけにはいかない。だってそれじゃ退屈じゃないか。帰りが。だからそのまま皇居に沿って進む。

つまり皇居の周りをを時計回りで進んだのだ。

そこにはジョギングしたり散歩したりの老若男女がいる。彼らはそこに、目的があって来てるわけで傍目から見てもそれは「絵になってる」というか。つまり違和感がない。しかし「何となく」来てしまった俺は普段着で、しかもママチャリだ。

ちょっと恥ずかしいなあ、と思いながらも皇居を半周ほど回った。「おそらく今、俺は皇居の南側にいるのだろう」と考えた。

このへんから不安になってくる。それまでのルートは東西南北を何となく把握していた。つまり何というか、「ここから東に行けば飯田橋だな」とか「西に行けば大久保だな」とか考えていたのだが、このあたりの、西は麻布から東は銀座という、このエリアは全くわからない。道路の名前もわからないし、地下鉄の駅もそんなに知らない。

とにかく、皇居を離れてそのまま西に向かう。「今、俺は皇居の南側から西に向かっている」と頭の中で考えながらペダルをこぐ。

ほどなく法務省とか検察庁とか、そういう建物がドカドカ建っているところに来た。
それで何となく霞ヶ関に来てるらしいとわかった。しかし、今や自分が正確にどういう方角に進んでいるのかはわからなくなってきた。まわりでチャリンコに乗っている人といえば、バイク便の人だけだ。

さすがに疲れてきて、ここでジョナサンに入り、飯を食う。

少し冷静に考えてみた。その時、5時だった。もうすぐ日が暮れる。さすがに今来た道を引き返した方がいいんじゃないのか。
しかし、それはさすがに時間がかかりすぎる。それにまた皇居を回るのか?

このまま行くことにした。

そして次は神谷町に来た。少しホッとする。ここは東西南北がわかる。まず南に少し向かい、そこから北西に。六本木に出る。

とにかく明治通りに出ることだと思った。明治通りに出会いさえすれば、ただ北に向かえば池袋だ。
「六本木か・・・恵比寿から日比谷線で北東に向かって広尾、六本木、だったな。つうことはここから西に渋谷があるのか・・・」

とにかく西だ!と思っても、道が真っ直ぐじゃないので、散々迷う。で、何とか渋谷に着いた。で、ここからは明治通りを北へ。新宿を通り過ぎて池袋へ。

もうとっくに日は暮れており、自分でも何をやっているんだろうという気持ちがした。疲れた。明日は絶対に筋肉痛だ。

今、地図を見てみると、やはり敗因は皇居の南側であった。「今、皇居の南側から西へ向かっている」と思いこんだのが間違いだった。あの時、俺は南に向かっていたのだった。

我が愛車「ペケペケ号サード」(今、命名)はご主人に買われて2日目にしていきなりハードワークを課せられたのだった。

おしまい。今日は長文だったなあ。

第1回迷走地図

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