松本清張全集19

松本清張全集19

松本清張全集19「霧の旗・砂漠の塩」を読んだ。

「霧の旗」「砂漠の塩」「火と汐」の中編三作を収めている。
共通点があるわけでもない…あえて言うなら、中年の男女のもつれというか愛欲というか…なんでしょう。

「霧の旗」は有名じゃないですかね。兄が事件の容疑者として捕まったが無実だと信じている妹がいて、この妹が高名な弁護士を上京して訪ねる。しかし金が無いので弁護を断られる。
兄は獄死して、妹は弁護士を恨む。再び上京して、復讐をする…というもの。

弁護士にしてみれば逆恨みの何ものでもない。
今回、久しぶりに読んでみて「これは無いなあ」とあらためて感じた。

ぐいぐい読ませるし、復讐もしたたか。
でもこんな一生はむなしい。

よくこんな話を考えるものだ。

 
「砂漠の塩」は不倫の二人が砂漠で心中しようとする話…なんだこれは。
ミステリーというより、昼ドラだと思った。そんなに面白くない。

「火と汐」はやはり不倫の女性が死んで、犯人はどうやって実行したかのアリバイトリックもの。概してアリバイトリックものって面白くない。

なんか三作に統一感がない。ごった煮だ。
いずれにしても、それぞれ長いと思った。ここまでボリューム必要ないんじゃないだろうか…

 
「霧の旗」が、まだましなほうだけど、それでも古典だと思う。かなり。