チャイルド44 森に消えた子供たち

チャイルド44 森に消えた子供たち

「チャイルド44 森に消えた子供たち」を観た。

Child 44

リドリー・スコット製作、監督はスウェーデンのダニエル・エスピノーサという人で、過去に「イージーマネー」「デンジャラス・ラン」を手掛けた。そのためか、ジョエル・キナマンが本作でも重要な役で出演。
主演はトム・ハーディ。共演にノオミ・ラパス、ゲイリー・オールドマン、ヴァンサン・カッセル、そしてパディ・コンシダインである。凄いキャスティング。137分という長尺ながら、力作サスペンスである。

1970年代後半から1980年代にかけて実際に起こったアンドレイ・チカチーロによる連続猟奇殺人事件をもとにしている。舞台を1950年代に変えているものの、当時のソビエト連邦の闇を描く作品。

トム・ハーディは国家警察で働く男で、とあるスパイ容疑の男を追い詰めた際に部下のジョエル・キナマンが見せしめのために家族を殺し、子供たちを孤児にしてしまった。そのことに自身も孤児院育ちのため罪悪感を負った。ある日、少年の死体が見つかるが事故死として処理される。トム・ハーディは事件に不審を抱くも、妻のノオミ・ラパスがスパイ容疑をかけられ、それをかばったために地方に左遷降格処分となる。
そこでも似た手口の変死体が見つかり、トム・ハーディはゲイリー・オールドマンの助けを得ながら事件を捜査しはじめる…という話。

ソビエト連邦での建前が「連続殺人は資本主義の弊害によるものであり、この種の犯罪は存在しない」というとんでもないもので、そのため事件がまともに調査されず、解決しなかったという背景なのです。
しかし調べていくと44件もの連続殺人が浮かび上がり、それを捜査していくトム・ハーディ。ノオミ・ラパスのスパイ容疑のエピソードがちょっと寄り道ではあるが、全体的に骨太のミステリーだ。パディ・コンシダインも実に良い。

最後、事件が解決に至り、トム・ハーディが地方から再び中央へ返り咲く際に、「殺人捜査課を新設」することを求めたり、孤児になった子供を引き取ったりと実に綺麗にまとまる。

まあ妻役のノオミ・ラパスは他の人のほうが感情移入できなくはなさそうだが、全体的にはとても質の高い作品でしょう。ただ世の評判はそんなによくないようで、しかも興業的にも大失敗している作品だ。
けっこう後半なんてぐいぐい惹きつけられるので、ミステリー好きならぜひ観たほうがよい。

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