それでも夜は明ける

それでも夜は明ける

「それでも夜は明ける」を観た。

12 Years a Slave

アカデミー作品賞受賞作だが、観る機会を逃していた。差別ものだからなあ…と後回しに。
まあ観ましたよ。やはり差別ものでしたよ。とんでもない世界だった。しかし、これが作品賞受賞なのか…と思わなくもない。

主演は色々な映画で光る脇役だったキウェテル・イジョフォー。今回は奴隷として12年間を過ごす苛烈な人生を演じてがっつり主役だ。脇を固めるのはベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・ファスベンダー、ポール・ダノ、ブラッド・ピットなど。黒人への差別意識の大小はあるにせよ、白人社会で黒人の奴隷を使う側の者たちだ。他にポール・ジアマッティが奴隷商人として。それとギャレット・ディラハント(「ER」でサムの旦那)が白人の奴隷という役で出てきていた。ヒロインというわけでもないが女性陣で大きな役どころだった黒人奴隷役のルピタ・ニョンゴは助演女優賞を受賞。

監督はスティーヴ・マックイーンで、あの名俳優の故スティーヴ・マックイーンとは同名ではあるが別人。新進の黒人監督でこれまでに「ハンガー」「SHAME -シェイム-」そして本作を監督している。つまりマイケル・ファスベンダーとの3度目のタッグということだ。本作のなかでもマイケル・ファスベンダーはかなり狂信的に差別感が強く、しかし女性を愛するというような、かなり精神的に破綻している強烈な人物を演じていた。
ブラッド・ピットは製作も兼ねており、本作ではやや理解のあるような曖昧な人物を演じていた。

主演のキウェテル・イジョフォーを除けば、マイケル・ファスベンダーとポール・ダノが強烈だったか。
だが題材が差別ですからね。

あと作品についてだが、黒人差別を取り扱うのであればこれまでも「ミシシッピー・バーニング」「夜の大捜査線」「フルートベール駅で」などの凄い作品があったのである。
本作はそれらに比べてどうかというと、激しくはなかった。激しさを求めるものでもないのだろうが… でもゴアなところを少し蓋してお茶を濁してるような気もした。
あと自由黒人という存在を初めて知った。あくまで制度の問題なので差別意識の根絶にはならないことは想像できる。実際、本作でも自由黒人であることを証明できず奴隷商人に売り飛ばされてしまうのだ。

しかし思うのは、未だにこういう差別映画でアカデミー賞なんですかということだ。
そもそもこういう作品を生み出しても、フルートベール駅での事件とか起こるんだったら意味ないじゃないかと思える。

2013年(第86回)アカデミー賞
作品賞受賞
主演男優賞ノミネート(キウェテル・イジョフォー)
助演男優賞ノミネート(マイケル・ファスベンダー)
助演女優賞受賞(ルピタ・ニョンゴ)
監督賞ノミネート
脚色賞受賞