シリコンバレーを抜け駆けろ!

シリコンバレーを抜け駆けろ!

「シリコンバレーを抜け駆けろ!」を観た。

The First $20 Million Is Always the Hardest

抜け駆けろ、なのです。駆け抜けろではない。変わった邦題だ。
主演は良くわからない人。どうやらダンサーのようです。ヒロインがロザリオ・ドーソン。あと色んな作品で見かけるJake Buseyが出てる。あとEthan Supleeがびっくりするくらい太った人で出てる。

ポー・ブロンソンの小説を映画化。なんと監督は「ボディガード」「ボルケーノ」を監督したミック・ジャクソンであり、脚本には「アイアンマン」のジョン・ファヴローがいるのです。2002年の作品だが、どうして?と思うくらい低予算感あふれる映画である。

大手企業のマーケティング担当で将来有望の主人公が、ある日「俺、やっぱりモノづくりしたい!」と言い出して退職。ハイテク研究機関に潜り込むことに成功。でもエンジニアじゃないのでここに来て何をするんだろうと思ったが、研究機関でボスにいびられて「99ドルのパソコン作れ」と言われる。めげそうになったが奮起して仲間を集め、99ドルPCの作成に奔走する。…という話。

今や現実となった99ドルPCである。超廉価PCやタブレット、テレビのHDMIに指すスティックPCなど、99ドルPCは2016年現在では存在しうるが、2002年当時では夢のまた夢で、作品のなかでは「実現不可能」ということになっている。そこに主人公たちが挑む。
主人公たちがとったアプローチは、無駄なものを全部とっぱらうというもので、最終的にはディスプレイもキーボードもマウスもなく、ホログラフィックに立体投射される映像にグローブを使ってバーチャルアイコンを操作するという、いやいやそっちのほうが絶対高いだろというものだ。(最終形ではグローブすらなくなり、懐中電灯サイズに小型化され、視線感知でアイコン操作するという今でも実現してないものだ)

Future Technologyで検索すれば幾らでも出てくる映像というのは、PCがどんどん小型軽量薄型化していくのを追及したものであって、実はイノベーションでもなんでもない。いつかは実現するだろうなという程度で、生活が一変するものではないのだ。

B級ながらアイデアに溢れた本作は、そのチープ過ぎるところが大変もったいないがイノベーションをなるべくわかりやすく描こうとしていたと思う。原作は未読だが、おそらくそこに非常に魅力があるために映画化されたのだろう。そして映画化の際に、なるべく夢をわかりやすくしようとしたに違いない。現在であればCGの進化でこういったテクノロジーを描く作品に価値はなくなってしまった。